かおテレビ

2015/11/18

皆さんはどのくらい「自閉症」ついてご存知でしょうか?


「自閉症」とは、脳の発達に関連するいくつかの病気の一つで


①社会性の発達の障害
・目線を合わせようとしない。
・注意を受けて困っているのに笑ってしまう。
・人とほとんど関われない、または積極的に関わり過ぎる。 などの対人関係の質的な違い


②コミュニケーションの障害
・言葉が話せない、もしくは言葉の発達に遅れがある。
・自分の好きな言葉を繰り返す。
・指差し、目配せなど言葉を使わないコミュニケーションの意味がわからない。
・相手の手を使って何かをさせようとする(クレーン現象)。 などのコミュニケーションの質的な違い


③活動と興味の偏り
・ミニカーを一列に並べたり、タイヤをくるくる回して眺めたりそのおもちゃ本来の遊び方をしない。
・常同行動(手をヒラヒラさせる、ピョンピョンはねる、ぐるぐる回るなどの行動)を繰り返す。
・同じ道を通る、同じ順序でするなど、変化を嫌う。
・教えないのに、標識や数字、アルファベットなどに興味を持ち、カレンダーや時刻表を覚えてしまう。
といった極端な「こだわり」を示す。


上記の3つの項目の症状が現れたとき自閉症と診断されます。


症状は軽度から重度まで幅があり、この3つに問題があっても本人の適応力が高い場合は、一生気がつかない人もいます。
そのような曖昧な障害ともいえますので、発症率は100~150人に1人の割合と言われていますが
診断されている人は、それよりもずっと少ないのかもしれません。


自閉症の診断は、身体所見や血液検査・脳波などの医療的な検査ではなく、人や物へのかかわり方や興味の向け方といった行動を分析することによってのみ可能です。


早期に発見し、早期に適切な療育を開始することで、症状の軽減や改善・二次障害(うつ病などの精神的症状)の予防・社会性の向上が期待できます。
7歳までに小児がどれだけコミュニケーション可能な言語能力を獲得できるかによって、予後は大きく異なってくるそうです。

しっかりと行動観察を行い、どんなことが苦手なのか・不器用なのかを見極め
その子にとってわかりやすい環境を用意し、今、何をすればいいのかをわかりやすく呈示していくことで落ち着いて暮せるようになってきます。
自分で自分の行動をコントロールするすべを身につけていければ、社会に適応して、安定した暮しをおくることもできてきます。


昨年から大阪府ではモデル事業として「かおテレビ(ゲイズファインダー注視点検出装置)」を導入し、池田市と泉大津市の2ヶ所で、1歳半健診に合わせて特設ブースを設けるなどして 子どもの発達特性に関する測定を行っています。


自閉症圏の子どもは “相手の目を見ない” “人物よりも模様・反復的パターンを好む” などの特徴をしめすため
その傾向に合わせた映像や反傾向的な映像を流し、子どもが無意識にどこを見ているかを測定することによって、社会性の発達の水準・感受性の強さと社会性のバランスなどを評価します。 


この「かおテレビ」はまだ実証実験段階にあり、「社会性の発達が早い、遅い」と判断することはできませんが、的確性の向上のため より多くの実証に基づくデータを必要としています。
子どもを膝の上に座らせて、約90秒ほど映像をみせる といった簡単なものですので、1歳児においても実施ができるため、早期での適切な療育の開始を実現することが可能です。
有用性が認められれば、医療機関などでの今後の幅広い活用が期待されます。


同様の取り組みは、全国の複数の自治体で行われているそうですので
是非、お住まいの各自治体などに問い合わせてみてくださいね。


お子さんの特性を知るための、ひとつのキッカケとなればいいな と思います。