生まれてすぐに里親のもとへ!「赤ちゃん縁組」マニュアル(福岡市)

2016/06/22

「赤ちゃん縁組」(新生児里親委託)の制度を整えようと、福岡市がマニュアルを作り、県内の児童相談所に配布しました。この取り組みは、生まれたばかりの赤ちゃんをすぐに里親に委託するものです。

まず予期しない妊娠をした女性や関係者から、出産前から市町村や児童相談所が相談を受け児童相談所職員が実の親と面会をします。そして特別養子縁組の意思を確認できれば、里親とマッチングをします。赤ちゃんが生まれた直後から里親がおむつ替えやミルクでの授乳をし、退院と同時に自宅に引き取ってわが子として育てます。赤ちゃん縁組は愛知県が先進県として知られていて、「愛知方式」とも呼ばれます。

通常、親と暮らせない新生児は児童相談所が保護して乳児院に入所させ、そのあとに児童養護施設や里親に預けられます。福岡県では2015年度、8人の新生児が乳児院に入っていますが、このように施設に預けられたり、施設を経て里親のもとに引き取られることは子どもにも里親側にも負担が大きくなります。赤ちゃん縁組は、里親と赤ちゃんの愛着が自然に形成できるうえに産みの親も安心して出産を迎えられるメリットがあります。

県児童家庭課は「丁寧な対応が必要で、あくまでも赤ちゃんが幸せになるための選択肢の一つだが、望まない出産が新生児遺棄や虐待につながるリスクを減らしたい」と話しています。マニュアルを県が整備するのは全国でも珍しく、これにより児童相談所の職員が共通の認識を持つことができ、縁組の普及が加速すると期待されています。

県は県民の理解を深めるため、「赤ちゃん縁組推進フォーラム」を開く予定です。

【赤ちゃん縁組推進フォーラム】
日時:7月10日午後1時半~
場所:春日市原町3丁目クローバープラザのクローバーホール
入場:無料
※28日までに申し込んだ人から先着順


[筆者]
育児助成金白書
Elly