産前産後お弁当配達
おやカンパニー
地域食堂の運営から、妊婦や出産後の母親らが抱える家事の負担を軽減しようと、配達料込み1食500円で毎月1度手作り弁当の配達事業に取り組む。
不登校の小中学生がいる家庭、障害のある子どもの家庭にも対象を拡大。訪問時には悩みを聞くなど、孤立の防止にも心を配っている。
団体紹介
産前産後お弁当配達おやカンパニーは、スタッフ3名を中心に、妊娠期から子育て初期の家庭を支えるコミュニティです。毎月のお弁当配達や交流の場づくりを通して、孤立しがちな親子に寄り添い、地域とつながる安心できる子育て環境の実現を目指しています。
なぜこの取り組みを始めたのか?
妊娠期や産後は、身体的・精神的な負担が大きい一方で、地域とのつながりが希薄になりやすく、孤立しやすい状況があります。特に「頼れる人がいない」「外出が難しく支援につながれない」といった声が多く聞かれました。
こうした現状を受け、私たち自身の子育て経験からも、食事と人とのつながりを同時に届ける支援の必要性を強く感じ、本活動を開始しました。単なる支援ではなく、顔の見える関係性の中で安心を届けることを大切にしています。
活動内容と効果
2020年より毎月1回、産前産後の家庭を対象に手作り弁当の配達支援を継続しています。調理や外出が難しい時期に、栄養バランスの取れた食事を届けるとともに、直接手渡しすることで見守りや声かけの機会をつくっています。
現在は他団体と連携し、それぞれが把握しているニーズを共有することで、不登校や学校に行きづらい子どもを育てる家庭、病児や障害児・障害者を抱える家庭にも支援を広げています。連携により、より多くの方へ必要な支援を届ける体制を構築しています。
また、社会福祉協議会や地域の方々から寄付いただいた野菜や魚などの食材を活用し、お弁当づくりを行っています。地域の支えが形となり、支援の循環が生まれています。
活動エリアは岡山拠点から車で約1時間半圏内とし、ほぼボランティア(交通費のみ)で運営しています。利用者からは「食事だけでなく気持ちが救われた」「孤立していないと感じられた」といった声があり、心理的安心と地域とのつながりを生む効果が得られています。
▲栄養価のあるお弁当を工夫しています
▲仲間同士の交流の場にもなっています
▲デザートにはメッセージを☆
これからの展望
今後は、活動の継続とともに、連携団体や地域資源との協働をさらに強化し、より多くの家庭に支援を届けられる体制づくりを進めていきます。行政や福祉分野との連携も視野に入れ、産前産後に限らず、多様な家庭を支える仕組みへと発展させていきます。
また、現在のボランティア中心の運営から、持続可能な体制への移行も課題と捉え、安定した活動基盤の構築を目指します。
このような取り組みを実施される方へのメッセージ
支援は特別なことではなく、「気にかけること」から始まります。小さな行動でも、誰かの安心につながる大きな力になります。
一人で抱え込まず、地域や他団体と連携することで、できることは大きく広がります。完璧を目指すのではなく、できる形から始め、続けていくことが何より重要です。
審査員総評
- 審査員長:山縣 文治
- 大阪総合保育大学 特任教授
- 出産から退院までの期間がどんどん短くなり、現在では4~5日が普通となっています。夜も継続的には寝ない赤ちゃんを抱えて、家事をこなすのは大変なことです。そこにきょうだいがいたり、何かにつけて手がかかる配偶者がいたりするとなおさらです。産前産後のお弁当配達、妊産婦へのやさしさが伝わる素晴らしい取り組みです。
- 審査員:島田 妙子
- 一般財団法人児童虐待防止機構オレンジCAPO 理事長
- 地域食堂の知見を活かし、妊産婦や多様な家庭の負担軽減と孤立防止を両立した点が秀逸。手頃な価格と訪問時の対話を通じ、継続的な見守りと支援の裾野を広げている先進的な取り組みであり、全国にも広がることを期待しています。
- 審査員:LICO
- 作家・ブロガー・子育てアドバイザー
- お弁当を届けて終わりではなく、そこから繋がりを作り「産後ママの孤立を防ぐこと」に意味を見出されていることに大きな魅力を感じました。自分から外に繋がりにくい時期の人に届けに行くという姿勢が素敵です。たくさんの場所でこの活動が広がってほしいです。
- 審査員:竹田 こもちこんぶ
- 5児の兄弟の子育てネタでTikTok・執筆など多方面で活躍中
- 産前産後という大変な時期にお弁当の配達という形での援助のみならず、どんな家庭があって、どんな悩みがあって、何が必要かという問題をすくい上げるアウトリーチとしての重要な機能がそこには存在している。こういった地域における人と人との繋がりこそが子育て中の孤立を防ぐ確かな手段ではないだろうか。
- 審査員:安木 麻貴
- (一社)日本子育て制度機構 育児制度アドバイザー しんぐるまざあず・ふぉーらむ・神戸ウエスト代表
- 代表の方がご自身の経験をまだお子さんが小さいにも関わらず、形になさっている点が素晴らしいと思います。お弁当が届けられた人からもさらに輪が広がり、好循環が期待できる取り組みです。お仲間の方たちと共に成長しながら、更に別のサポートへと広がっていくことにも期待いたします。