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母子健康手帳

妊娠期から出産・乳幼児期の赤ちゃんとお母さんの健康と子育て支援制度をつなぐ とても大切な手帳です

  • 妊娠

母子健康手帳の説明

母子健康手帳

ご妊娠おめでとうございます。
妊娠の届出をした方は、母子健康手帳(母子手帳)を受けとることになります。
母子健康手帳(母子手帳)はお母さんとお子さんの健康記録として活用するためのものです。
妊婦健診・出産の記録、お子さんの発育記録、予防接種記録などが記入できます。

母子健康手帳(母子手帳)の最も重要な意義は、妊娠期から乳幼児期までの健康に関する重要な情報が一つの手帳で管理されるということです。
妊産婦、乳幼児は、健康であっても急激に状態が悪化することがあるため、特に保健上の配慮が必要になります。
また、乳幼児期の健康は生涯にわたる健康づくりの基盤となります。

妊産婦手帳をもとに、母子の体調の変化や子どもの状況などを一冊で一元管理できる「母子手帳」が配布され始めたのは1948年のことです。
1965年に正式名称が「母子健康手帳」に変更されましたが、その後も「母子手帳」と呼ばれることが多いので、ここから先は「母子手帳」で掲載していくことにします。

母子手帳の新着情報

厚生労働省は、2022年9月15日に開かれた検討会で、2023年度から11年ぶりに「母子手帳の内容を見直す」方針を決めました。

母子手帳見直しの内容

・出産後の経過の項目で、
①支援が必要な母親を適切な機関につなぐため、悩みがある場合は、医師や地域の支援センターに相談するよう促すことが追加されます。
②母親の心身のケアや育児の支援を行う「産後ケア事業」の利用を促すため、事業を利用した際に記録する欄が新たに設けられます。

・子どもの月齢や年齢ごとに示す成長や発達の目安では、
①保護者や子どもの睡眠で困っていることはないか。
②車でチャイルドシートを使用しているか。
③テレビやスマートフォンなどを長時間見せないようにしているか。
などの項目が追加されます。

また、母子手帳のデジタル化に向けた議論も行っていて、
自治体などの環境が整備されるまでは紙の手帳で運用するとしたうえで、
今後、マイナンバー制度の専用サイト「マイナポータル」を活用した仕組みについて検討するとしています。

母子手帳のメリットは何?

母子手帳に情報をまとめることで、病院やお医者さんとのやりとりがスムーズになります。
医療機関からのアドバイスや保護者によるお子様の成長の記録はお子様の健康維持と成長にとって大切な情報です。
また緊急時においても、救急当番の医師が、母子手帳からすぐに情報を把握できるため、適切な処置が行えるようになります。

母子手帳いつもらう?

母子手帳の交付を受けるタイミングに決まりはありませんが、
最も多いのは、妊娠が病院で確認され、赤ちゃんの心拍確認がとれる妊娠6週~10週目以降です。
妊娠初期は流産の可能性もある時期なので、赤ちゃんの心拍を確認できてから母子手帳を交付してもらうのがよいでしょう。
母子手帳を受け取る期限はありません。

母子健康手帳の発行場所は?

お住まいの市区役所・町村役場となります。
※妊娠届や印鑑が必要な場合があります。
※妊娠届出書には出産予定日や個人番号(マイナンバー)を記入していただきます。
健やかな妊娠と出産のために、できるだけ早い時期に妊娠の届出をして、母子手帳の交付を受けましょう。

母子手帳にはいろんなページがあります

以下、母子手帳の説明です。
まず、「子の保護者」欄をすぐ記載してください。

妊娠中と出産時ページ

妊娠中の健康管理、出産時の状態を記載するページです。「妊婦の健康状態等」や「妊婦の職業と環境」は、医療機関受診前に妊婦が自分自身で記入してください。
何か異常があったときに、受診した医療機関に対する情報源となり、問題の早期発見につながります。
「妊婦自身の記録」欄には、妊婦自身や父親、家族などが、折々の気持ちなどを積極的に書きこんでください。また、体調の変化や健康診査時に尋ねたいことなどは、医師や助産師に直接聞きにくいことでも記載しておき、健康診査時にみてもらうとよいでしょう。
「妊娠中の経過」は、健康診査時に医療機関で行う検査などの記録欄ですが、医療機関によっては結果などを妊婦が自分で記載するよう指導される場合もあります。また、予備欄には検査結果の紙なども適宜貼り付けることができます。

乳幼児期ページ

乳幼児健康診査や予防接種について記載できるページです。健康診査や予防接種を受けるときだけではなく、小児科や歯科を受診する際にも持参したり、家庭や保育所・幼稚園などで測定した身長・体重なども積極的に記入したりもできます。
身長・体重などを身体発育曲線に記入すると、成長の様子がよくわかります。記載を続けることで、子どもの成長や健康状態の記録としてかけがえのないものになります。
また、誕生日などの節目には、両親からのメッセージを送るなど、健康以外のことを書いても構いません。
これらの記録は、万一大きな病気にかかったときなどにも、重要な情報となります。
また、予防接種の記録は予防接種済証と呼ばれる公的な証明にもなるほか、予防接種の有無は就学以降もたびたび必要となる情報ですので、長期に保管すると役立ちます。

その他任意様式部分

妊娠中に気をつけておきたいことや育児のしおりなど、知っておきたい知識が記載されています。また、主な医療給付の制度や働いている方の制度なども載っていますので、一通り目を通してください。
妊婦健康診査、新生児訪問や乳児家庭全戸訪問、相談窓口(市町村保健センターやDV相談ナビ等)についても育児に必要な知識ですので知っておいてください。

詳しくはお住まいの市・区役所、町・村役場にお問い合わせください。

母子手帳で公的サービスが受けられます

母子手帳があることで、さまざまなお得なサービスを受けられます。

妊婦健診の受診券(補助券)

妊婦検診で使える割引券のようなものです。
母子手帳を発行したときに一緒にもらえます。
妊娠に関連する医療費は、基本的に全額負担ですが、受診券があれば費用を一部負担してくれます。

母子保健サービス(両親学級、出産前育児教室、妊婦訪問など)

出産や育児と初めてのことばかりで何かと不安な時期に、保険サービスでたくさんのアドバイスを受けられます。
妊婦訪問では、保健師や助産師などが自宅まで訪問してくれて、赤ちゃんの発育状況や育児に関する相談を受けてくれます。

子育て応援サービス

母子手帳を提示することで、地域や企業が用意したサービスや特典を受けられます。

母子手帳よくある質問

母子手帳について教えてください。

母子手帳は、お母さんとお子さんの健康記録としてつくられた手帳です。妊婦健康診査、乳幼児健康診査などの診察や保健指導を受ける際には、必ず持参し、必要に応じ書き入れてもらうことやお母さん・お子さんの健康状態、健康診査結果などの覚え書きとして使用ができます。

母子手帳は婚姻届を出してなくてももらえますか。

母子手帳は婚姻届の届出の有無に関わらず、妊娠の届出があった方に交付しています。

母子手帳のサイズ(大きさ)を教えてください。

母子手帳のサイズは各自治体によって異なります。手のひらに収まる大きさのSサイズ(A6判)・少し大きめのMサイズ(B6判)・Lサイズ(A5判)の3種類があります。
また、ひとつの自治体で同じサイズがずっと続くわけではなく、年によって大きさが変更になる場合がありますので、詳細についてはお住まいの自治体にお問い合わせください。

母子健康手帳を受け取るのに時間はどれくらいかかりますか?

役所の窓口に妊娠届出書と証明書を提出したら、母子手帳を交付してもらえます。
母子手帳の交付時に保健師との面談があり、母子健康手帳の活用方法や母子保健サービスの説明、保健指導などの説明があります。
所要時間は20~30分程度です。

母子健康手帳をなくした場合はどうしたらいいですか?

母子手帳をなくしたときは、お住まいの自治体への申請で再発行ができます。
母子手帳は、なくしてしまっても再発行が可能です。
再発行するには、お住まいの自治体への申請をする必要がありますので、保健センターや市役所などに問い合わせてみてください。

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育児制度アドバイザー安木 麻貴

Written by 安木 麻貴

社会福祉士。シングルマザー当事者団体代表。介護の現場で働き、がんばって育てた息子も自立。経験を活かして、制度をお伝えします!

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