2022年度静岡県ベスト育児制度賞

2022年度静岡県ベスト育児制度賞

受賞団体

NPO法人 ゆめ・まち・ねっと

NPO法人 ゆめ・まち・ねっと

受賞制度

おもしろ荘
2011年開設。放課後の子どもたちの居場所として、参加費無料、親の申込み不要で運営。ゆえに貧困、被虐待、障がい、不登校など生きづらさを抱えた子どもたちがやってきます。

【コメント】
「これ、フィリピンにいたとき、食べたことある。」
 僕らが開く「おもしろ荘0円こども食堂」にやってきた小学生のシュンが言います。
 「ボクのお母さんも時々、作ってくれる。」
 同様にフィリピンにルーツを持つ小学生のタクミが呼応します。
 「ベトナムでもこういう料理、あるのかなぁ?」
幼児2人と参加したお母さんが会話に参加します。お父さんの仕事の関係で、間もなく家族でベトナムに転居するのです。
 「ほぉ、ベトナムねぇ」
 関心があるのかないのかわかりにくい抑揚のない口調で、季節外れのハロウィーンの仮面を被った二十代のユウキが呟きます。ユウキと10年以上の付き合いになる僕には、とても関心のあるときの口調だとわかります。
 「ぶふぉぉぉっぐほっ」
 「わぁぁぁ、なんか吐いたよぉぉ(笑)」
 気管切開をしている中学生のタカヒロがむせ返る様子を知的障碍のある高校生のケイタが屈託のない笑顔で描写します。
 「これ、ラブライブのステッカーです。あげますです。」
 タカヒロのお母さんとボランティアスタッフが慌てて後始末を始めた中、そんな状況には何の関心もありませんという風情で仕事帰りのリョウが人気アニメのステッカーを僕にくれました。広汎性発達障碍の診断を受けているリョウはいつもそんな感じです。
 「なんか賑わってんね?」
 長い髪を金色に染めたヒトミが顔を出します。
 「食べてく?」
 「ん~チューハイだけ、もらうわ(笑)」
 「じゃあ、成人式のお祝いで付き合うかな(笑)」
 数日前、ヒトミのSNSには、こんな投稿がされていました。
 『辛い 泣きたい 苦しい 死にたい 誰でもいいから助けてください。もう、限界です。』
 みんな、「おもしろ荘」にようこそ。

【選考理由】
地域の人のつながりを作っている大切な場なのだと思う子どもの遊びや居場所を体温のぬくもりを感じながらできていて素晴らしい。スタッフ自身が楽しんでおり、いきいきとしている点。近隣の高齢者が、渡部代表が滞在する時間にいつでも出入りでき、住民の心のよりどころとなっている点を評価。