赤ちゃんが離乳食を食べない

離乳食を食べてくれない

1歳~3歳くらいのお子さんを持つお母さんが一番悩んでいることって何だと思いますか?
それは「赤ちゃんがご飯を食べてくれない」っていうことなんです。
赤ちゃんから幼児に成長していく時期、お子さんの成長は目まぐるしいですよね。
そんななか、これまでは母乳やミルクから取っていた栄養を、バリエーションのある普通の食べ物に変更していくのが離乳食。
「人にとって「食べることは生きること」よね、食べなかったら私の責任?!」ってママたちが思い詰めてしまうのは当然。でも、一生懸命作っても作っても食べてくれない。遊ぶ、散らかす、投げる・・・。「泣きたいのはこっちやわ!」ですよね。

お子さんにとってどんな栄養が必要なのか、どうやったら離乳食を食べてくれるのか一緒に考えていきましょう。

育児制度アドバイザー安木 麻貴

Written by 安木 麻貴

(一社)日本子育て制度機構 / 育児制度アドバイザー
誰も教えてくれない子育て支援制度を分かりやすく子育て世帯に伝えています。高校・大学での講話やyoutubeでも。

1〜3歳の育児のお悩みTOP5

小学館の幼児誌『ベビーブック』が実施した読者1,000人のアンケート「お子さんの育児で悩んでいることは何ですか」という質問のTOP5をご覧ください。

引用元:「1歳,2歳,3歳育児のお悩みランキング【1000人調査】イヤイヤや食事だけじゃない、おもしろ回答も!」(2022年2月)

  1. 5位 言葉が遅い
  2. 4位 片付けない
  3. 3位 特になし
  4. 2位 言うことを聞かず癇癪(かんしゃく)を起こす
  5. そして堂々の1位は・・・
  6. 1位 ご飯を食べない  です!

食事に対して興味を示さなかったり、ムラがあったり、少食だったり、ご飯を食べないことについての悩みがダントツでトップ。
2位の「言うことを聞かず癇癪を起こす」も離乳食を食べないっていうことが含まれていそう・・・。

赤ちゃんが成長するにつれて改善してきますが、この時期は、様々な食体験を通じて、これからの一生の健康状態も左右する腸内細菌(フローラ)を育てる大切な時期でもあります。 小さいうちから食への興味や楽しさを体験させることはやっぱりとっても大切!

ということで、「離乳食」についてまずは基本の部分から見ていきましょう。

離乳食はいつから食べさせたらいいの?

離乳食の開始時期は、一般的に生後5~6か月頃といわれています。
この時期は赤ちゃんの観察がとっても大切。ゆっくり。ゆっくり。
お子さんの発達スピードには個人差があるため、 5~6か月になったから離乳食を始めるのではなく、以下の点を目安に、成長に合わせて開始時期を決めましょう。

  1. ・首のすわりがしっかりしている
  2. ・支えてあげると座ることができる
  3. ・大人が食べるものに興味を示している様子が見られる
  4. ・スプーンの先を口に入れても押し返すことがない

でも、いざ離乳食を始めてみると思うように離乳食を食べてくれない!と壁にぶつかるママは多そうですよね・・・。

特に悩むことが多くなってくる離乳食中期(生後7か月~8か月)・離乳食後期(生後9か月~11か月)に食べさせたい離乳食についてご紹介していきます。

離乳食中期(生後7か月~8か月)

あやすとニコニコ♪気持ちのキャッチボールができ、前歯が2本ずつ生えてきて、噛むことの準備が始まります。離乳食も大きくステップアップする時期です。かわいらしさとは裏腹に、順調に離乳食が進んできたのに、味覚が育ってくるこのころは日々好みが変化し、嫌がって食べてくれない・・・ということが多くなります。

7~8か月くらいの時期は日中と夜の2回の離乳食の子がほとんど。体の成長も伴って食事の量も増えてきます。このころの離乳食は、つぶしたりみじん切りにしたりと食材の大きさや固さに少しずつ慣れさせていくことがポイント。白身魚や豆腐などのタンパク質にもチャレンジ。パサパサしていると食べにくいので、トロっとさせて食べやすく♪

赤ちゃんそれぞれの好みがあるので、ざらっとした食感や粒つぶが嫌な子は、滑らかに裏ごすなど工夫がいるみたい。

ほうれん草やブロッコリーなど、好き嫌いが分かれる野菜などは、かぼちゃやさつまいもの甘味やだしの旨みなどをプラスしてみるのもおすすめです。

鮭やまぐろ、鶏肉やツナ缶、しっかり加熱すれば全卵も使用することができますし、味付けもコンソメ、味噌、醤油などで味のバリエーションをつけることもできます。

摂って欲しい野菜や果物のおすすめレシピを載せておきますね♪
私が愛用している楽天レシピさんからさがしました。

リンゴのクタクタ煮

離乳食×リンゴのレシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
    離乳食中期 りんごのクタクタ煮 レシピ・作り方
    美味しいリンゴをクタクタに煮ました。
    リンゴがとっても好きみたい♪とっても上手に美味しそうに食べてくれます♪もぐもぐもぐ
  2. 【材料】
  3. りんご(陸奥りんごを使いました)・水

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

ふわふわハンバーグ☆手づかみ離乳食

ふわふわハンバーグ☆手づかみ離乳食 レシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
    離乳食中期 ふわふわハンバーグレシピ・作り方
    豆腐入りでフワフワハンバーグ♪
    歯が生え揃っていなくても、モグモグ食べてくれます。
  2. 【材料】
  3. 豚ひき肉 (鶏ひき肉や合挽きでも)・豆腐・人参や玉ねぎなど・卵・パン粉

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

フライパンで簡単きな粉蒸しパン【離乳食】

フライパンで簡単きな粉蒸しパン【離乳食】 レシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
    離乳食中期 きな粉蒸しパンレシピ・作り方
    赤ちゃんが大好きな蒸しパンです♪
  2. 【材料】
  3. 小麦粉・きな粉・ベーキングパウダー・牛乳(粉ミルクor豆乳or水でもOK)

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

生後7か月~8か月の子どもが離乳食を食べないとき

乳児期・幼児期の子どもの味覚は日々変わっていきます。そして2回食になってくると、食事時間も規則的になるけれど、もしかすると常に離乳食や母乳・ミルクでお腹が満たされている状態なのかもしれません。
授乳時間を短めにしたり食事の直前には授乳を控えるなど、タイミングや時間を工夫することが大事です。

教科書的に言えば、生後7か月~8か月の赤ちゃんが離乳食を食べない5つの原因は

  1. 1.お腹がすいていない
  2. 2.離乳食より母乳やミルクが好き
  3. 3.味や食感が口に合わない
  4. 4.食べ飽きた
  5. 5.体調が良くない

などがあげられますが、こんな理屈はさておき、とにかく「ご飯は楽しい!」と感じてもらうことが大切。
食べないときは

  1. 「おもいっきり遊ばせる」
  2. 「スプーンを変えてみる」
  3. 「メニューを変えてみる」
  4. 「離乳食の時間を変えてみる」

とまずはこちらが変わってみよう!

離乳食後期(生後9か月~11か月)

離乳食後期はカミカミ期ともよばれます。回数は1日3回、食事のリズムが整ってきます。この時期は舌だけでなく、歯ぐきで物を噛めるようになり、噛むことを練習する時期なので、バナナくらいの固さを目安に♪

自分で食べようとする様子がみられたら、茹でた野菜スティックや小さめのおにぎりなど、子供の手で持ちやすいように工夫したものを一旦好きなようにさせて、少し見守ってみてね!

パンはまずトーストにして、もし食べなかったら、ちぎってミルクに浸してやわらかくしてみましょう。

手を使うことはスプーンやフォークの使い方の基礎にもなります。これから先、自分で食べてくれて楽になることを想像して相手に任せてみて!

3回の食事になると、さらにお腹がすいていないために食べられないということも増えます。あまり動かなかった日や授乳が多かった日などは、お腹がすかないかもしれません。

赤ちゃんは言葉で教えてくれません。せっかく作ったものを投げられたり、ぐちゃぐちゃにされたり・・・

ママも「ご飯を食べてもらうのが楽しい!」と思えるように、新聞紙を敷く、食器を倒れにくい吸盤付きのものにするなど環境を整えておきましょう。

忙しい、どうしても食べなくて心が折れそうという時には手軽なベビーフードや野菜ジュース・フォローアップミルクを活用するのもありですよ!

レシピ載せておきますね!

トマトと鮭のお粥

離乳食×トマトのレシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
  2. 離乳食後期 トマトと鮭のお粥♪ レシピ・作り方
    もうすぐ9ケ月になる孫に作りました。
    歯が生えだして、もぐもぐできるようになりました。
  3. 【材料】
  4. ご飯・玉ねぎみじん切り・人参みじん切り・トマトみじん切り・焼き薄塩鮭(ほぐしたもの)・水

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

人参のグラッセ

人参のグラッセのレシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
  2. 【離乳食後期】人参のグラッセ レシピ・作り方
    電子レンジで人参をやわらかくしてから調理するので、簡単にできます。
  3. 【材料】
  4. 人参・バター・水

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

冷凍ブロッコリーの卵焼き~管理栄養士

冷凍ブロッコリーの卵焼き~管理栄養士 レシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
  2. 冷凍ブロッコリーを使った時短レシピ。
    野菜たっぷりの卵焼きは、離乳食後期にぴったりのメニューです。
  3. 【材料】
  4. 冷凍ブロッコリー(ブロッコリーライス可)・水・卵・にんじん(すりおろし)・牛乳・粉チーズ・油

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

冷凍かぼちゃのきなこのお焼き

冷凍かぼちゃのきなこのお焼き レシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
  2. 冷凍かぼちゃを使った時短レシピ。管理栄養士考案。
    お焼きにすると赤ちゃんが手づかみで食べやすくおすすめです。
    完了期以降のおやつとしてもあげられます。
  3. 【材料】
  4. 冷凍かぼちゃ・水・牛乳・きなこ・片栗粉

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

冷凍ほうれん草と鮭のクリームスープ

冷凍ほうれん草と鮭のクリームスープ レシピ・作り方

  1. 【楽天レシピからのコメント】
  2. 冷凍ほうれん草を使った管理栄養士の時短レシピ。
    離乳食【後期】で使う茎は細かく切って食べやすくします。
    飲み込みがうまくいかない時は、とろみをつけてあげましょう。
  3. 【材料】
  4. 冷凍ほうれん草・玉ねぎなどお好きな野菜・鮭・牛乳(または育児用ミルク)・水・水溶き片栗粉

詳しい作り方はこちら
引用元:Rakutenレシピ

フォローアップミルクってなに?

離乳食期の栄養補助のために牛乳の代用品となるのがフォローアップミルクです。
赤ちゃんが早期から牛乳をたくさん飲むと、鉄不足を深刻化する可能性があり、牛乳を飲ませるのは1歳以降が推奨されています。

フォローアップミルクは牛乳にビタミンDや鉄が添加されているもので、通常のミルクとフォローアップミルクは似ているようで別物。通常のミルクとフォローアップミルクの違いを理解して、きちんと使い分けてね!

フォローアップミルクは各メーカーからいろいろなものが発売されています。
お出かけ用にスティックタイプ・扱いやすいキューブタイプ、ミルクアレルギーのお子さんに向いているもの・・・。用途に合わせて選んでください。

和光堂 フォローアップミルク ぐんぐん

森永 フォローアップミルク チルミル

ベビーフードや野菜ジュースの活用も♪

野菜がしっかり入っているので、そのままジュースとしてでもいいし、お料理にアレンジすることもできますよ!
ブロッコリー・にんじん・ほうれん草・かぼちゃ・キャベツ・りんごの栄養が入ったサンスター「ソダテコ やさいではぐくむスムージー」。
国産素材100%。野菜不足や野菜が苦手なお子さまにもおすすめです。
プレバイオティクスに着目し、野菜を厳選配合しているのだそう♪
お子さんの”おなか元気”にも繋がりそうですね!

ブロッコリー・にんじん・ほうれん草・かぼちゃ・キャベツ・りんごの栄養が入ったサンスター「SODATECO」

離乳食期に起こりがちな便秘

大人もそうですが、便秘になると食事はとりたくなくなりますよね。

離乳食の時期は、腸の機能が未熟で、母乳やミルクも少なくなり、ウンチの水分量が不足します。そして、消化のよい(=ウンチの元になるカスが少ない)ものばかり与えるとウンチの便の量が減り、蠕動(ぜんどう)運動が弱まるため便秘になりがちです。 また悪玉菌を発生させることで、腸内環境を悪化させるとも言われています。

食物繊維はウンチのかさを増やしてくれるので、できるだけ果物や海藻類、野菜、大豆や根菜類、穀類を取り入れるようにしましょう。

味噌やヨーグルト、チーズなどの発酵食品に多く含まれている乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌を取ればいいということは皆さんご存じかと思います。

では、より効果的にこの善玉菌に活躍してもらうにはどうしたらいいでしょう??

善玉菌を育てるには・・・

近年の研究では、腸内環境は全身の健康ともつながりがあると言われています。

腸内環境を整えるには、善玉菌をとり入れること(プロバイオティクス)と、善玉菌のエサとなる食材をとり入れて善玉菌を増やすこと(プレバイオティクス)が大切だそうです。

「プロバイオティクス」である乳酸菌、ビフィズス菌は味噌やヨーグルト、チーズなどの発酵食品に多く含まれています。

「プレバイオティクス」はオリゴ糖や、ブロッコリー、キャベツ、バナナなどの食物繊維のことです。

ベビーフードや野菜ジュースを活用するときは原材料の表示をしっかり見てね♪

「ベビーマッサージ」でママと赤ちゃんの心もマッサージ

どうしても食べてくれない、そんなときは赤ちゃんとママ・パパのスキンシップにベビーマッサージはいかがでしょう。
血行を促進、脳や身体の発達をサポートし、「便秘が解消した」という声も!
大人のようにコリをほぐすマッサージではなく、親子のコミュニケーションを図れ、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」っていうのが分泌されるんですって!
赤ちゃんのためのものではなくて、ママ・パパにとっても良い効果ありそう。
赤ちゃんのマッサージだけでなく、自分の腕や肩もマッサージ♪
「よくがんばってる。お疲れ様、私。」となでなですることをお忘れなく!

離乳食で悩んだ時の相談場所

ひとりで悩みを抱え込まないで。こんな場所で話を聞いてくれます。

民間・メーカー

◇食品メーカーの相談窓口◇

◇離乳食や子育てについて調べる◇

◇お買い物ついでに相談する◇

地域

◇児童館の赤ちゃんクラス・子育てサークルの先輩ママ◇

◇保育所・幼稚園の子育て相談◇

◇ファミリーサポートセンター◇

病院・産婦人科

◇小児科の先生・看護師さん◇

まとめ

「離乳食を食べない」と悩んだりイライラするのは、赤ちゃんのことを想って準備した食事を、その赤ちゃん自身が食べないからという理由が多いと思います。「あなたのためにやってるのに」となってしまいがち。私もそうでした。

でも離乳食を食べないこの時期は、これまで一心同体だったママと赤ちゃんが、自分と子どもは別の人なんだと気づかされる時期でもあり、赤ちゃんだけでなくママの心も成長する大切な時期でもあります。食べないという意思表示も成長の証なんですね。

私が声を大にして言いたいのが、人の力や便利な商品の力を大いに借りてください!ということ。 相談できるということは人とつながりを作ることができるということですし、今は便利な商品や離乳食づくりを応援してくれる物も多くあります。1番大切なのは、ママの心にフタをしないこと。必ず終わりが来るこの時期を、少しでもママが笑顔で過ごせる為に、肩の力を抜いたり、たまに目線を変えたりと工夫されることをおすすめします。