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生命保険料控除とは?仕組み・書き方・年末調整の注意点を図解で解説

毎年生命保険会社から10月頃に届く「重要書類在中」と書かれた「生命保険料控除証明書」は、年末調整で税金を軽減する大切な書類です。
実際のサンプルが下記になります。

生命保険料控除とは?仕組み・書き方・年末調整の注意点を図解で解説

この書類は、12月に行う年末調整に必要なものなので、ここでは生命保険控除の仕組みや控除額、記入方法や注意点を図解を交えてわかりやすく解説します。

生命保険控除とは

生命保険控除とは、1年間に払い込んだ保険料に応じて所得から一定額を差し引ける制度です。
所得が減ることで、所得税と住民税の負担軽減につながります。
ただし自動的に適用されるわけではなく、年末調整や確定申告で申告する必要があります。
ですので、年末調整で提出する「生命保険控除」とは非常に大切な提出書類になります。

生命保険控除の解説動画

生命保険控除の解説動画

控除を受ける理由と仕組み

生命保険料控除を申告すると、課税対象となる所得額が減少し、その分税額が安くなります。
たとえば控除額が4万円なら、課税所得が4万円少なくなる仕組みです。
これにより、給与から天引きされていた所得税が還付される可能性もあります。

控除対象となる3種類の保険料

生命保険料控除には、次の3種類があります。
①一般生命保険料②介護医療保険料③個人年金保険料の3種類です。
それぞれに控除が設定されており、合計で最大12万円までが控除対象になります。
なお、新制度・旧制度で控除額の上限が異なるため、保険会社から届く証明書を確認することが大切です。

控除対象となる3種類の保険料の控除上限額

上記項目で記載した3種類の生命保険
①一般生命保険料②介護医療保険料③個人年金保険料にはそれぞれ控除限度額があります。そのため、限度額を超える契約の保険料を申告書に記載した場合でも、控除される額は上限の限度額までです。

具体的な控除限度額は以下のようになります。

<新制度>

一般の生命保険料  80,001円以上 一律 40,000円
介護医療保険料   80,001円以上 一律 40,000円
個人年金保険料   80,001円以上 一律 40,000円

ですので、3種類の保険料を支払っている場合は120,000円の控除となります。
1種類の保険料だと40,000円の控除、2種類の保険料だと80,000円の控除というように、1つの保険に8万円以上かけても4万円の控除にしかなりませんから、来年以降は加入する保険の種類を増やして控除額を増やしたり、1つの保険の掛け金を見直すことも必要かもしれません。

また、生命保険の種類で、新制度・旧制度を記載する欄がありますが、これも控除額に影響があります。
上記では新制度で説明しましたが、旧制度の保険に加入している方は以下をご覧ください。

<旧制度>

一般の生命保険料  100,001円以上 一律 50,000円
個人年金保険料   100,001円以上 一律 50,000円

とありますが、旧制度で100,001円以上の契約が1つあった場合、上限控除額100,000円に達するため、ほかの契約を申告する必要がなくなります。
つまり、旧制度の生命保険は1種類で10万円以上掛けていれば上限の控除額に達するということになります。

年末調整での記入方法

10月頃に届く「保険料控除証明書」には、保険の種類や支払額が記載されています。これをもとに「給与所得者の保険料控除申告書」(下記画像参照)に記入します。 一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料の欄ごとに分けて、証明書と同じ内容を転記しましょう。記入後は証明書を添付して提出します。

ここからは、具体的な書き方を説明します。
先ずは年末調整で生命保険料を記載する用紙が下記になります。
生命保険料以外にも地震保険料や社会保険料などを記載する申告書ですが、ここでは左半分の箇所にある生命保険料控除欄の記入について説明します。

生命保険料控除欄の記入について

生命保険料控除の記入方法

生命保険料控除の記入方法
① 控除証明書に記載されている保険会社名(略称可)を記入
② 控除証明書に記載されている保険の種類を記入  例:終身、定期、がん、医療
③ 控除証明書に記載されている保険期間、または年金の支払期間を記入  例:終身、10年、20年
④ 控除証明書に記載されている契約者の氏名を記入
⑤ 控除証明書に記載されている保険金などの受取人氏名を記入
⑥ 控除証明書に記載されている「新制度」「旧制度」の区分を選択

<注意点>
・新制度は、契約日が平成24年(2012年)1月1日以降の保険、旧制度は、契約日が平成23年(2011年)12月31日以前の保険

⑦ 控除証明書に記載されている「12月末時点の申告予定額」を記入

<注意点>
・予定支払額、予定申告額などと記載されている場合もある
・控除証明書内に記載のある「証明額」は、保険会社が1月1日から控除証明書を発行するまでの期間に支払った保険料額
・誤って、証明額を記入しないよう注意
・年払いの場合、証明額の欄のみに記載されていることもある

⑧ 新保険料の「12月末時点の申告予定額」の合計額を記入
⑨ 旧保険料の「12月末時点の申告予定額」の合計額を記入
⑩ 新保険料の合計額を、計算式Iに当てはめて計算し、算出金額を記入

<注意点>
・算出した金額に1円未満の端数がある場合、端数を切り上げる

⑪ 旧保険料の合計額を、計算式IIに当てはめて計算し、算出金額を記入

<注意点>
・算出した金額に1円未満の端数がある場合、端数を切り上げる

⑫ ⑩と⑪の合計額を記入

<注意点>
・40,000円を超える場合は、40,000円と記入

⑬ ⑪と⑫のうち、大きい方の金額を記入
⑭ 「介護医療保険料控除」の金額を、一般の生命保険料控除(①~⑬)と同じように記入

<注意点>
・介護医療保険料には、新・旧区分はない

⑮ 「個人年金保険料控除」の金額を、一般の生命保険料控除(①~⑬)と同じように記入
⑯ 一般の生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計額を記入

<注意点>
・合計額が120,000円を超える場合は、120,000円と記入

控除額と計算の仕組み

年間保険料が8万円を超える場合、控除額は一律4万円となります。ただし「4万円そのままが戻る」わけではなく、課税所得から4万円を差し引ける仕組みです。控除額は新制度では各保険料ごとに最大4万円、合計で12万円が上限となっています。

生命保険料控除の注意点とポイント

①控除額は「支払った保険料の全額」ではなく、上限がある。
②所得税だけでなく住民税にも影響する。
③保険会社から届く証明書を必ず添付する。
④新制度・旧制度で計算方法が異なる。
これらの点を押さえて申告を行うことが重要です。

SNSコメント
・届く前に分かりやすく解説してもらえてありがたいです。
・面倒くさいけど、やらないと損しますね。

よくある質問

生命保険料控除は自動的に適用されますか?

自動適用ではなく、年末調整や確定申告で自分で申告する必要があります。

控除額が4万円なら、そのまま4万円が戻るのですか?

いいえ。課税所得から4万円を差し引ける仕組みなので、実際の還付額は所得税率によって異なります。

年間の保険料が少額でも申告すべきですか?

少額でも税額が減る可能性があるため、必ず申告するのがおすすめです。

旧制度と新制度の違いは何ですか?

契約した保険の時期によって控除額の計算方法が異なります。証明書に「新制度」「旧制度」と記載されています。

保険料控除証明書を紛失した場合は?

保険会社に再発行を依頼できます。再発行の手続きは各社のカスタマーセンターで受け付けています。

住民税にも影響しますか?

はい。生命保険料控除は所得税だけでなく住民税にも関わるため、提出を忘れないことが大切です。

まとめ

生命保険料控除は、年末調整や確定申告で税金の負担を軽減できる重要な制度です。
控除対象となる3種類の保険料を理解し、証明書をもとに正しく申告することが必要です。
控除額には上限があり、所得税だけでなく住民税にも影響するため、忘れずに提出しましょう。

社会福祉士 安木麻貴

Written by 安木 麻貴

社会福祉士 | 育児制度アドバイザー
社会福祉士。行政窓口での相談員経験や、ひとり親家庭を支援する当事者団体でも現在活動中。子育て支援制度に精通し、「イクハク」執筆・監修者として、制度情報の正確な発信に取り組む。YouTubeやTikTokでは、最新の給付金や支援制度を分かりやすく解説し、多くの子育て世帯から信頼を得ている。