「潜在保育士」復帰のために|支援ぞくぞく

2016/06/13

待機児童問題の大きな原因の一つである保育士不足の解消について、資格があるのに保育士として働いていない「潜在保育士」(全国に70万人います)にどう職場復帰してもらおうかと、各地で様々な取り組みが始まっています。
秋田市では、保育士人材バンクという事業を立ち上げました。これは、県内外の潜在保育士にバンクに登録してもらい、施設側の求人情報をメールで配信する事業です。他にも潜在保育士が保育の現状を学べるセミナーや就職相談会なども計画しています。秋田市の聖園学園短期大学保育科を過去に卒業した885人にアンケートを実施した結果、500人がバンクに登録してもいいと回答したという話から、潜在保育士の関心の高さもうかがえます。

兵庫県では2万9000人の潜在保育士に向けてダイレクトメールを発送しました。内容は、再就職する際の準備金として国から上限20万円を借りられるという新制度のアピールです。この準備金は、再就職した潜在保育士が2年間継続して働いた暁には返済が全額免除となるシステムで、通勤用の自転車購入費や、賃貸住居の手数料などに使われることを想定したものです。

保育士の待遇はこれからも改善傾向にあり、国会でも賃金の引き上げなどが議論されています。今月、来年度からは保育士の賃金を月6000円程度上げ、経験を積んだ職員には月約4万円上げるという方針を表明しました。せっかく働く意欲がある潜在保育士がいるのですから、ぜひ待遇改善された現場で活躍してほしいものです。


[筆者]
育児助成金白書
Elly