大学生が年収150万円まで働いても親が税金控除として63万円がもらえるようになりました
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特定親族特別控除とは?大学生の扶養・年収上限150万円の新制度を解説
2025年から、特定親族特別控除という制度が創設されました。2024年までは大学生がアルバイトなどで年収103万円を超えると親の扶養からはずれ、その結果、親の税金控除として、63万円の控除が受けられないという問題を解決するために創設された制度です。
ここでは、対象者や親の控除額など制度について、わかりやすく解説します。目次特定親族特別控除とは?
「特定親族特別控除」とは、19歳以上23歳未満の子を持つ親が税金の支払いが免除できる控除のことで、63万円の控除のことです。
つまり、主に大学生である19歳以上23歳未満の方のアルバイトなどの働き控え解消を目的として、その年齢の子を持つ親の税負担を軽減するものです。特定親族特別控除の解説動画(03:38)
特定親族特別控除を制度に詳しい社会福祉士が、わかりやすく動画で解説します。
特定親族特別控除の対象者|どんな世帯が対象?
特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族のことをさします。
この年齢は主に大学生に該当する年齢で、学費や生活費を捻出するためアルバイトをしている大学生に対して、親の税金控除を支援する制度になっています。
つまり、対象は大学生を持つ親の税金控除が目的となっている制度です。大学生はいくらまでアルバイトできる?
結論から言うと、大学生のアルバイトは年収150万円まで大丈夫となりました。
2024年までは、年収103万円を超えると親の税金控除63万円がなくなりました。
ですので、大学生は103万円を超えないよう働き控えを余儀なくされていました。
この問題を解決するために、2025年からは年収150万円まで働いても親の税金控除63万円がもらえるように制度設計を変えました。特定親族特別控除額はいくら?
大学生のアルバイト年収が150万円までなら親の税金控除額は63万円となります。
年収が150万円を超えていくと、段階的に親の控除額が減ってきます。
どれくらい減ってくるのかを下記の項目で表でまとめましたので、ご覧ください。大学生の年収と親の税金控除額の関係表
19歳以上23歳未満の子の年収150万円までの時、親の税金控除額は63万円の満額となり、子どもの年収が150万円を超えるに従って、親の税金控除が減ってきます。
特定親族特別控除いつから?
2025年から実施されます。
SNSコメントと回答集
イクハクのSNSに寄せられた実際のコメントを元に再構成しました。
・多子世帯の大学費無償化も子どものアルバイト代が150万円を超えなければ受けられるということでしょうか?
→基本的には、受けられます。19歳~23歳未満の子どもに認められる制度で150万円を超えなければ扶養扱いになるからです。
・大学生ですがまだ18歳なので対象外ですか?
→特定扶養親族とは、その年12月31日の年齢が19歳以上23歳未満の人をいいますので、その時点で 18歳の大学生は対象にはなりません。【安木麻貴(社会福祉士)からのアドバイス】
コメントありがとうございます。まだこの制度をよく知らない方が多いと思いますが、19歳~23歳未満のお子さんを持つ会社員の方は、今年の年末調整に記載することを忘れないよう会社の給与担当の方に聞いておくことをお勧めします。よくある質問|Q&A
特定親族特別控除が創られた理由はなんですか?
大学生が働き控えもせずに、親の扶養控除から外れないようにするためです。
働く年収上限がどう変わったのですか?
103万円が上限だったものが、150万円まで働けるようになりました。
150万円という基準は手取りですか?
いいえ、「年収(総支給額)」ベースで判断されます。
パート勤務の子どもも対象になりますか?
学生に限らず、19〜23歳であればアルバイト・パートなどの形態は問いません。
まとめ
特定親族特別控除は、2025年から始まる新しい税制優遇制度です。
これまで103万円の壁で働き控えをしていた大学生が、年収150万円まで親の扶養控除を維持できるようになりました。
家庭の経済支援と若者の就労機会の両立を目指す、重要な制度改正といえます。
この記事の参考資料・出典
・国税庁:令和7年度税制改正による 所得税の基礎控除の見直し等について(源泉所得税関係)(PDF)
Written by 安木 麻貴
社会福祉士。行政窓口での相談員経験や、ひとり親家庭を支援する当事者団体でも現在活動中。特に子育て支援制度に精通し、「イクハク」執筆・監修者として、制度情報の正確な発信に取り組む。YouTubeやTikTokでは、最新の給付金や支援制度を分かりやすく解説し、保護者目線での配信内容が多くの子育て世帯から信頼を得ている。