離婚を考えるあなたへ――自分と向き合う時間を作るには
制度というのはどうしても起こった後に考えがち。何かあるまでは考えないものですね
だけど離別という大きな決断をするにはそのあとの制度や養育費、親権のこといろいろ考える必要もあります。
子どもの未来、お金のこと、自分の気持ち…。
頭の中でぐるぐる巡って、答えが見えなくなることがあります。
そんな時、必要なのが自分と向き合う時間だったり、適切なアドバイス。
このページは、その最初の一歩を支えるために作成しました。
この記事は、社会福祉士 安木麻貴が監修・執筆しています。
今夫との価値観の違いで悩んでいるA子さん。子どもは2歳。育休明け、時短で働いている。夫婦のすれ違いに悩んでいる。ひょっとしてもう限界?こんな場合どうしたら?
A子さんとの対話を通して使える制度を考えてみました。
自分の気持ちを整理するために子どもを預かってもらっても構わないんだよ。
保育園での一時預かり(※1)を使ってみてもいいかもね。
(※1)保育園で休日の利用ができるところがあります
(※2)各政令市や県にある公共施設。誰でも無料で利用できます。心理や離別についての図書も充実しています。
優先するのが自分ではなくて、子どもだったり、お金のことだったり、見えない先のことばかりになってたような気がします。
「子どもを見ておいて」って夫に言えないところも問題だったかも。
もっと煮詰まってきたなら、ひとり親家庭支援センター(※3)に行くと、市区町村のひとり親支援員の方も話を聞いてくれるよ。法律相談なども予約制でできるようになってるよ。
(※3)各地域にセンターが置かれています。役所の窓口に相談員がいる場合も。
ほかにも民間のひとり親のサポート団体なんていうのも全国にあるからおしゃべり会なんかに参加していろいろ経験者にきいてみるのもいいかもね。
自分の気持ちが整理できたら、ひとり親家庭の制度についても少しずつ調べてね。
まとめ
離婚するかどうかを決めるのは、あなただけの選択。でも大きな決断をするには熟慮が必要です。毎日の子育て・仕事、家事、すべてのことを自分だけが背負ってしまうといい考えも浮かんでこないものです。子どものことを一旦誰かにお願いしてひとりの時間を作ることが大事ではないかと思います。
その道のりに“制度”や“人とのつながり”という寄り添いがあることを知って欲しと思います。
あなたの決断が、後悔のないものとなりますように。
万が一、暴力やハラスメントが発生している場合は急ぎ児童相談所や役所の窓口に相談をなさってください。
児童相談所は近くに困っている子どもを助けるだけでなく、お子さんのそばにいるあなたの相談にものってくれます。
暴力を受けている場合はすぐに配偶者暴力相談支援センター 0120-279-889へ電話してください。
「DV相談ナビ」(#8008(はれれば))でも相談を受け付けています。最寄りの配偶者暴力相談支援援センターにつながります。
※今すぐ警察官に駆けつけてもらいたいような緊急の場合は、110番に通報してください
よくある質問
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男女共同参画センターってどこにあるの?
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男女共同参画センターは各都道府県・政令市には必ず置かれています。男性も女性も意欲に応じてあらゆる分野で活躍できる社会を目指し、セミナーや相談、啓発活動をしています。利用料は無料です。図書館などの利用には登録が必要です。
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ひとり親家庭支援センターってどんなところですか?
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センターとして総合的な支援を行うための建物を持っている地域もあれば母子寡婦福祉連合会などが相談事業などを行っている場合もあります。こちらにはひとり親家庭専門の相談を行っている母子支援員が従事しているので、気楽に相談に行ってみましょう。利用料は不要です。
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ファミリーサポートセンターって利用料はどのくらいかかるのですか?すぐ利用できるの?
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ファミリーサポートセンターの利用については離別前の場合は通常の料金が必要です。利用料は各自治体ごとにまちまち。概ね、1時間800円~1000円程度です。ひとり親世帯や困窮世帯向けに利用料を低く設定していたり、利用を後押しし、活発に運営している地域もあります。事前のマッチングが必要なので、登録だけは先にしておいた方がベター。
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民間の支援団体ってどんなところかわからなくてハードルが高く感じます。気軽に行ってもいいの?
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ひとり親家庭を応援している市民団体は全国に増えています。当事者たちが集まっておしゃべりできる場を開催しているところもあれば、食糧支援や学習支援などを行っている団体もありと様々。離別前の相談も可能な団体が多いと思います。どこも扉は開けているので、もし、参加してみたいと思う団体があれば連絡を取ってから訪ねてみましょう。

Written by 安木 麻貴
社会福祉士 | 育児制度アドバイザー
社会福祉士。行政窓口での相談員経験や、ひとり親家庭を支援する当事者団体でも現在活動中。子育て支援制度に精通し、「イクハク」執筆・監修者として、制度情報の正確な発信に取り組む。YouTubeやTikTokでは、最新の給付金や支援制度を分かりやすく解説し、多くの子育て世帯から信頼を得ている。