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ひとり親家庭のピンチ 自分が入院?!子どもはどうする??

ひとり親家庭のピンチ 自分が入院?!子どもはどうする??

制度というのはどうしても起こった後に考えがち。何かあるまでは考えないものですね。

病気やケガは、ある日突然やってきます。
元気なときには「なんとかなる」と思っていても、いざ自分が倒れると、子どものこと、家のこと…心配が尽きません。
そんな「もしものピンチ」のとき、制度や地域のサポートがあなたを支えてくれることがあります。
このページは、そんなピンチを支えるために作成しました。

職業や生活圏を変えずにひとり親になったA子さんの場合。
お子さんは保育園に通っている。一見、問題なく過ごせていそうだけれども、彼女にも悩みが・・・。

この記事は、社会福祉士 安木麻貴が監修・執筆しています。

安木さん
安木
A子さんの場合は離別後あまり生活拠点を変えなかったんだね。
A子さん
A子さん
そうなんです。産後、育休を取って、仕事に復帰しました。そんななか離別することになって。ということで、子どもの保育園も継続で生活圏をあまり変えずに賃貸住宅に引っ越しました。
安木さん
安木
定職があって、収入も安定しているから賃貸住宅もスムーズに借りることができたんですね。
A子さん
A子さん
そこはあまり問題ありませんでした。だけど、実家とも遠く、離別のこともなかなか人に伝えられなくて、助けてくれる人が少ないんです。まあ、もともと、別れた夫も何もしてくれなかったので一緒ですが(笑)。
安木さん
安木
今困ってることはそのあたりかな?
A子さん
A子さん
そうですね、実は今度入院するんです。入院期間は2週間ぐらいなんですが、退院後に家事や子どものこと、助けてくれる人もいなくって。お金の方は高額療養費と生命保険があるので入院費の心配はないし、休職の間は傷病手当金がカバーしてくれるんですけど、入院前後、子どものことが一番気にかかってます。
安木さん
安木
ご実家は遠いし、お父様しかおらず、高齢だったね。
A子さん
A子さん
はい。実家はあてにならないですから、私の場合は生活圏を変えずに住み続けた方が良かったんです。
安木さん
安木
ファミリ―サポート制度って使ったことある?
A子さん
A子さん
登録はしています。でも使ったことないな・・・。引越しもあったけど、登録も前のままです。これまでなんとかなってきたし。それにけっこう利用料高いイメージです。
安木さん
安木
そうだよね。なかなかいざとならないと使わないよね。
最近ではひとり親家庭には補助がある自治体もあるみたいだよ。ちょっと一緒に調べてみようか。
あと、日常生活支援制度って知ってる?
A子さん
A子さん
何ですか?それ?
安木さん
安木
国がひとり親の支援メニューに載せてて多くの地域でやってたはずなんだけど、利用者が少なくって廃っちゃってる制度なんだよね。ひとり親家庭の家事を助けてくれるものなの。これも調べてみるね。
あっ、やってるね。事前の登録や相談が必要だから、一度担当の窓口の人に相談してみる?
A子さん
A子さん
そうですね。病気になるまでは何にも思わなかったけど、いざとなると、いろんな助けが必要ですね。
面会交流してる元夫にも協力してもらおうかな。会いたくないし、嫌だけど。
安木さん
安木
そうだね。面会の取り決めはしてるの?
A子さん
A子さん
はい。取り決めで2か月に一度面会をさせてます。嫌だけど(笑)
安木さん
安木
そうだよね(笑)。私も最初複雑な気持ちだったわ。
最近では面会交流(※1)の支援をする自治体も出てきてるね。

(※1)別居親に子どもを会わせること

A子さん
A子さん
そんなのもあるんですね。いざとなったら使ってみるのもいいですよね。
今は自分の身体のことが大事なので、利用できるものは利用させてもらおうと思います。あんまり頼りたくないから最小限がいいんですが。
安木さん
安木
そうだね。リスク分散させて、使えるものは全部使えるようにしておこうね。
あと、児童養護施設でのショートステイっていうのもあるから、これも利用できるように相談に行っておこう。
ひとり親のパパ・ママは自分一人で何とかしようしがちだけど、そう思わずに、ひとり親家庭であることをカミングアウトして、積極的にいろいろな人の助けを借りてしまいましょう。
A子さん
A子さん
私、ひとり親だということ、内緒にしてました。 もうこうなったらまわりにカミングアウトした方がいいですね。
安木さん
安木
そうだね。助けてほしいって言えることが一番大切なことかもね。
関連制度

高額療養費

関連制度

傷病手当金

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ファミリ―サポート制度

まとめ

「がんばるしかない」と思いがちなひとり親。
でも、病気や入院のときには、制度や人の力を借りることが何より大切です。
ひとり親の方は子育てに関する制度、勤労に関する制度を柔軟に使っていくことがとても大切で多面的な知識が必要となります。

助けを求めることは弱さではなく、子どもと自分を守るための“強さ”です。
どうか、一人で背負い込まずに、利用できる制度や人のつながりに手を伸ばしてください。
そして、普段からピンチの時にどうするかということも少しだけ考えておいて。

ひとり親の関連制度一覧

よくある質問

高額療養費の申請先はどこになりますか?

医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月の1日から末日まで)で上限額「自己負担限度額」を超えた場合、その超えた額を支給するのが「高額療養費制度」です。上限額は、年齢や所得に応じて定められています。

日帰り入院でした。傷病手当金の申請はできる?

業務外の病気やケガで連続して3日間休んだ後、4日目以降仕事に就けなかった日がある場合は傷病手当金の対象になります。業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や病気と見なされないもの(美容整形など)は傷病手当金の支給対象外です。

傷病手当金はどのように申請したらいいですか?

傷病手当金は健康保険(会社の健康保険組合や、協会けんぽ)の加入者が対象となります。病気やケガで会社を休み、給与の支払いを受けない場合、加入している健康保険組合などから受け取れる手当なので申請は会社を通じて健康保険組合に行います。

ファミリーサポートセンターって利用料はどのくらいかかるのですか?

ファミリーサポートセンターの利用については困窮家庭やひとり親家庭への補助を設けている自治体もあります。利用料は各自治体ごとにまちまち。事前のマッチングが必要なので、何も起こらないうちから登録だけは先にしておいた方がベター。

日常生活支援事業は利用にお金がかかりますか?

利用料は各市区町村で設定されているので一律ではありません。東京都の場合だと利用についての窓口は各自治体のひとり親支援担当になります。

面会交流支援は無料ですか?

自治体が無料で行っている場合があります。しかし、全国的に見ても数は少なく、多くの場合、面会交流支援をしている団体に依頼することになり、料金がかかります。料金は団体により額は様々です。法務省のホームページでは団体の一覧表を掲載してます。

社会福祉士 安木麻貴

Written by 安木 麻貴

社会福祉士 | 育児制度アドバイザー
社会福祉士。行政窓口での相談員経験や、ひとり親家庭を支援する当事者団体でも現在活動中。子育て支援制度に精通し、「イクハク」執筆・監修者として、制度情報の正確な発信に取り組む。YouTubeやTikTokでは、最新の給付金や支援制度を分かりやすく解説し、多くの子育て世帯から信頼を得ている。