住民税非課税世帯

住民税非課税世帯

給付金の支給対象者によくある文言が「住民税非課税世帯」があります。
実際「住民税非課税世帯」とは年収いくら以下のことを指すのかなど、「住民税非課税世帯」に関わる気になる点を解説します。

住民税非課税世帯とは

住民税非課税世帯とは、文字通り住民税が非課税、つまり住民税がかからない世帯のことです。
住民税は、行政サービスを行う際の費用に充てるために住民から徴収される税金ですが、一定の要件を満たす低所得者に対しては、住民税を非課税にして課税しないとされています。
住民税が非課税になる要件を世帯員全員が満たし、住民税が課税されている人がいない世帯が住民税非課税世帯です。                       

住民税非課税世帯を3分の動画で解説

「住民税非課税世帯」についてわかりやすい動画にしましたのでご覧になってください。

住民税非課税世帯のメリット

住民税非課税世帯の人は、医療や教育に関しての優遇措置がメリットと考えられます。
主だったメリットを記載します。
①国民健康保険の保険料減免、医療費負担の軽減
住民税非課税世帯は国民健康保険の保険料が所得に応じて減免されます。
さらに、高額療養費制度においては通常設定されている負担額が低く見積もられます。
②教育費の免除
0歳から2歳までの子供で、保育の必要性を認められた場合のみ保育所の利用が無償になります。
さらに、高校の授業料も無償化。大学は、各大学で設定されている上限額まで授業料等の免除がされるとともに、日本学生支援機構からの支給も行われます。                       

住民税非課税世帯になるには

住民税非課税世帯になるための手続きはありません。
自分で確定申告をしたり、会社で年末調整を受けたりして収入を申告した結果、家族全員の住民税が非課税になれば、住民税非課税世帯ということになります。                       

住民税非課税世帯の年収目安

住民税非課税の基準は世帯の種類によって、年収の限度額が違ってきます。
下の表は世帯の家族構成別に非課税になる年収の限度額をまとめました。(引用元:厚生労働省)

個人住民税の世帯類型別の非課税限度額

(※1) 単身世帯における所得割は、所得控除等により108.8万円(課税最低限)までは課税されない。
(※2) 高齢者単身世帯における所得割は、所得控除等により157.1万円(課税最低限)までは課税されない。

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住民税の「均等割」とは

住民税は市民税と県民税(住民税)の2つで構成されていて、「均等割」と「所得割」という税金で成り立っています。
均等割は前年の所得金額の多少にかかわらず、ある一定の所得がある方全員に均等に負担していただく税です。

<均等割を支払っているかどうかを調べる方法>
①一番かんたんなのは、マイナポータルにログインすると、均等割を支払っているかどうかわかります。
住民税均等割の箇所に税額が載っていて、住民税所得割の金額が0の方は、均等割を支払っていて、所得割を支払っていないことがわかります。

下の表はマイナポータルで見れる画面ですので、ご自身で確認してみてください。

マイナポータル

②マイナンバーカードをお持ちの方は、コンビニで課税証明書が取得できます。
これにも、均等割と所得割が記載されています。

③マイナンバーカードを持ってない方は、毎年6月に自治体から納税通知書が届いてると思いますが、昨年のものを見てみてください。
これにも、均等割と所得割が記載されています。

下の表は納税通知書の例ですので、ご自身で確認してみてください。

納税通知書

④納税通知書が見当たらない方は、お住まいの役所に行って、課税証明書を貰いましょう。
そこにも、均等割と所得割が記載されています。

「住民税均等割」についてわかりやすい動画にしましたのでご覧になってください。

住民税の「均等割」の1級地・3級地とは

住民税は住んでいる地域によって、非課税になる収入の上限が変わってきます。 大都市に住んでいる方のほうが、住民税が非課税になる年収の上限が高くなっています。
1級地とは東京23区や指定都市などです。
2級地とは県庁所在市などです。
3級地とは一般市・町村などです。
詳細な市区町村一覧は下記からご覧ください。
市区町村一覧はこちら

住民税の「所得割」とは

住民税は市民税と県民税(住民税)の2つで構成されていて、「均等割」と「所得割」という税金で成り立っています。
所得割は前年の所得金額に応じて負担していただく税で、均等割とは異なり、所得金額と所得控除額を基に計算されています。
住民税非課税世帯とは、「均等割」と「所得割」という税金どちらも支払っていない世帯のことを指します。

年金受給者が住民税非課税となる収入の目安

年金収入のみを条件に調べてみました。
住民税は住んでいる市区町村によって、1級地・2級地・3級地と区別され、それぞれ住民税が課税されない収入が異なってきます。
下記に例を記載します。

年金受給者の住民税非課税となる収入は?

名古屋市(1級地)
<単身者の場合>
・65歳以上は年金収入で155万円以下
・65歳未満は年金収入で105万円以下
<夫婦世帯(配偶者控除あり)の場合>
・65歳以上は年金収入で211万円以下
・65歳未満は年金収入で171万3千円以下

大阪府 泉佐野市(2級地)
<単身者の場合>
・65歳以上の人で年金収入が152万円以下
・65歳未満の人で年金収入が102万円以下

愛知県 あま市(3級地)
<単身者の場合>
・65歳以上は年金収入で148万円以下
・65歳未満は年金収入で98万円以下
<夫婦世帯(配偶者控除あり)の場合>
・65歳以上は年金収入で192万8千円以下
・65歳未満は年金収入で147万円以下

※年金のみの収入の方は「お住まいの市区町村 住民税非課税 年金」で検索して調べたり、お住まいの自治体に問い合わせをしていただければ教えてくれると思います。

住民税とは

そもそも住民税とは何で、何に使われているかというと、住民税は公共施設、上下水道、ごみ処理、学校教育といった行政サービスの活動費に充てる目的で、その地域に住む個人に課す地方税のことをいい、市町村民税と道府県民税の2つから成り立っています。
納税する際には、一括して各市町村に個人住民税を納めなければならず、道府県民税は各市町村によって、その道府県に払い込まれます。
それぞれの地域において、地域住民の生活を保障するために、行政サービスの財源を適切に確保するものですので、住民税は極めて重要な税となっています。

住民税はいつの収入で決まる?

住民税は前年中の所得を基準にして課税されます。
したがって、前年の1月から12月までの所得を基準にして計算した今年の住民税が、今年の6月に決定され納税者に通知されます。
住民税が決定する流れは下の表をご覧ください。

住民税の課税・非課税が決まる流れ

自身が住民税非課税かどうか調べる方法

会社員の方は毎年12月もしくは1月にもらう源泉徴収票を見ることで、住民税が非課税かどうかを調べることができます。
下の表をご覧になってください。

源泉徴収表から調べる

会社員の方は毎年12月もしくは1月にもらう源泉徴収票を見ることで、住民税が非課税かどうかを調べることができます。
下の表をご覧になってください。
見方は、①の金額が②より少ない場合は翌年の住民税が非課税になります。
これは、来年度の住民税が非課税になるかどうかを見る1つの方法です。

源泉徴収票

納税通知書から調べる

ご自身で住民税を払っている方は、毎年6月頃発行される市(町、村)県民税の納税通知書が届いているかどうかで判断してください。

課税証明書から調べる

お手元に何もない方は、市町村の発行する課税証明書、所得課税証明書を入手するか、自分が住民税を支払っているか市町村の自治体に聞いてみてください。

過去の住民税非課税世帯への給付金事例(2022年~2023年)

直近2年の住民税非課税世帯への給付事例を列挙します。
それぞれのタイトルページで詳しく説明していますのでご覧ください。

2023年実施例:低所得世帯へ3万円現金給付

・2023年3月決定 給付額3万円 令和4年度住民税非課税世帯や令和5年度住民税非課税世帯など自治体ごとに対象世帯を独自に選定

2022年実施例:物価高対策 住民税非課税世帯に5万円給付

・2022年9月決定 給付額5万円 令和4年度住民税非課税世帯対象
住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金
・2022年6月決定 給付額10万円 令和3年度住民税非課税世帯対象

住民税非課税世帯のよくある質問

住民税非課税世帯となったらどんなデメリットがありますか?

様々な面で優遇される代わりに、ローンやクレジットカードの審査が通りにくくなる点です。

非課税世帯と住民税非課税世帯は違いますか?

非課税世帯というと、住民税あるいは所得税どちらかを支払っていない場合も非課税世帯という表現になりますが、住民税非課税世帯は住民税を支払っていない場合のみの表現になります。
ただ、給付金支給の報道では、住民税非課税世帯対象であっても非課税世帯と言う表現を使う場合があります。

            

住民税非課税世帯になったらご近所から分かりますか?

住民税非課税世帯になったからといって、自宅に届く自治体からの郵便物の内容などを見られない限り、世帯と関係のないご近所の方が分かるということは基本的にありません。

関連語句

育児制度アドバイザー安木 麻貴

Written by 安木 麻貴

(一社)日本子育て制度機構 / 育児制度アドバイザー
誰も教えてくれない子育て支援制度を分かりやすく子育て世帯に伝えています。高校・大学での講話やyoutubeでも。