【体験談】生活保護 家族にバレたくない|扶養照会で不安だったこと
監修者:安木麻貴(社会福祉士)
生活保護や子育て支援制度に関する相談支援の知見をもとに、本記事の内容を確認しています。
この体験談の要約
・扶養照会で家族に知られるのではと強く不安を感じていた30代女性の体験
・事情を正直に伝えることで配慮を受けられた申請の流れ
・実際には家族に知られず受給できたケース
体験者プロフィール
・年齢:36歳
・性別:女性
・世帯構成:一人暮らし(実家とは疎遠)
・地域:大阪府内
・収入:0円(失業中)
・受給額:約11万円(家賃込み)
・状況:退職後、就職活動難航・貯金減少
受給前の状況を教えてください
「親には絶対知られたくない」
それが一番の不安でした。実家とは何年も連絡を取っていません。関係が悪いわけではないけど、頼れる関係でもない。
それなのに、生活保護を申請したら「家族に連絡がいく」という話を聞いて、怖くて動けなくなっていました。
仕事を辞めてから、しばらくは貯金で生活していましたが、思ったより早く底が見えてきました。
収入はゼロ。通帳の残高はどんどん減る。
「このままやと無理やな」
そう思いながらも、扶養照会のことが頭から離れず、窓口に行く決心がつきませんでした。
申請のきっかけは何ですか?
きっかけは、スマホ代の支払いができなくなったことでした。
「これが止まったら、連絡手段もなくなる」
そう思ったとき、ようやく現実の方が怖くなりました。
「もう、バレるとか言ってる場合ちゃう」そう思って、意を決して役所へ向かいました。ただ、最初に聞いたのはやっぱりこれでした。
「扶養照会って、絶対にされますか?」
実際の申請の流れを教えてください
担当の方は、丁寧に説明してくれました。
「原則としては行いますが、事情によっては配慮されることもあります」
そこで、自分の状況を正直に話しました。
・長年連絡を取っていないこと
・支援を受けられる関係ではないこと
・知られたくない理由
すると、「その点については考慮します」と言ってもらえました。
完全にゼロになるわけではないものの、状況に応じて対応が変わることを知り、少し安心できました。
その後は、収入や生活状況の確認、申請書の提出。ケースワーカーの訪問を経て、約2週間で受給が決まりました。
結果として、家族に連絡がいくことはありませんでした。
▶ 窓口で困らないために。生活保護の仕組みと申請の流れを完全解説
受給後はどう変わりましたか?
一番変わったのは、「安心して生活できるようになったこと」です。それまでは、お金の不安と同じくらい、「バレるかもしれない」という不安がありました。
でも実際には、誰にも知られることなく生活が続いています。そのことで、やっと気持ちが落ち着きました。
生活が安定したことで、少しずつ前向きに考えられるようになり、今は仕事探しも再開しています。
「不安は“想像”が大きくしていただけだった」
扶養照会のことが怖くて、ずっと動けませんでした。
でも実際に相談してみると、事情をちゃんと聞いてもらえました。
「絶対にこうなる」と思い込んでいたことが、実はそうじゃなかった。それに気づけたのが大きかったです。
不安なことは、そのまま聞けばいい。この当たり前のことが中々できずにいました。でもそれだけで、気持ちはかなり変わると思います。
編集部コメント(社会福祉士より)
扶養照会は生活保護制度の中で重要な手続きの一つですが、一律に機械的に行われるものではありません。
特に、
・長期間連絡を取っていない
・関係性が希薄
・支援が期待できない
といった場合には、事情を踏まえて対応が検討されることがあります。
また、申請時に不安を正直に伝えることは非常に重要です。制度に対する誤解や不安をそのままにせず、確認しながら進めることで、安心して手続きを行うことができます。
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