【体験談】生活保護 高齢者|一人暮らしで不安…申請から受給までの流れ
監修者:安木麻貴(社会福祉士)
生活保護や子育て支援制度に関する相談支援の知見をもとに、本記事の内容を確認しています。
この体験談の要約
・年金だけでは生活できず、貯金が底をついた高齢男性のリアル
・「迷惑をかけるのでは」という不安から申請をためらった葛藤
・実際の申請は想像よりスムーズで、生活と心に余裕が戻った話
体験者プロフィール
・年齢:70代前半
・性別:男性
・世帯構成:一人暮らし
・地域:大阪府内
・収入:年金 月約6万円
・受給額:約12万円(家賃扶助含む)
・状況:退職後、年金のみで生活・持病あり
受給前の状況を教えてください
退職してからの生活は、思っていたよりずっと厳しいものでした。
若いころは「年金があれば何とかなる」と考えていましたが、実際に受け取れる金額は月に6万円ほど。家賃を払えば、ほとんど残らず。
食費は1日1,000円以内に抑えるのがやっとで、外食はほぼゼロ。電気代を節約するために、冬でも暖房をつけない日が続きました。
体調も万全ではなく、病院に行きたいと思っても「今月は無理やな」と我慢することも増えていきました。貯金も少しずつ減っていき、通帳の残高が10万円を切ったとき、初めて強い不安を感じました。
「このままやと、本当に生活できなくなるかもしれん」
そう思いながらも、「生活保護」という言葉にはどこか抵抗がありました。
申請のきっかけは何ですか?
転機になったのは、近所の知人で「無理して我慢するもんやないで。あれは“もらうもん”やなくて“使うもん”や」と言われ、最初は半信半疑でしたが、その人も実際に利用していると聞いて、少し気持ちが変わりました。
それでも、「役所で断られるんじゃないか」「嫌な顔をされるんじゃないか」という不安は消えませんでした。
ただ、通帳の残高が減っていく現実の方が怖くて、意を決して福祉事務所に向かいました。
▶ 窓口で困らないために。生活保護の仕組みと申請の流れを完全解説
実際の申請の流れを教えてください
窓口では、淡々とした対応でした。担当の方は丁寧に話を聞いてくれて、今の収入や生活状況を一つずつ確認していきました。
・年金の金額
・預金残高
・家賃
・健康状態
などを説明し、その後、必要書類の案内を受けました。申請書を書くときも、分からないところは横で教えてもらえたので、特に困ることはありませんでした。
数日後にはケースワーカーの方が自宅に来て、生活状況の確認がありました。
正直に「苦しい状況」を話すと、「無理せず頼ってくださいね」と言ってもらえたのが印象的でした。
申請から約2週間ほどで結果が出て、生活保護の受給が決まりました。
▶ 窓口で困らないために。生活保護の仕組みと申請の流れを完全解説
受給後はどう変わりましたか?
受給が決まってから、生活は大きく変わりました。まず、毎月の生活費に余裕ができたことで、食事の内容が改善されました。
以前はパンやインスタント食品が中心でしたが、今は野菜や魚も買えるようになり、体調も少しずつ良くなっていると思います。医療費の負担もなくなったため、定期的に病院に通えるようになりました。
何より変わったのは「こころ」です。
毎日お金のことばかり考えていた生活から、「明日は何をしようか」と考えられるようになったのは、大きな変化でした。
「生活保護は“恥ずかしいもの”ではなかった」
正直、最初は抵抗がありました。でも今ははっきり言えます。
「もっと早く相談していればよかった」と。生活保護は、困ったときに頼れる制度でした。
無理して我慢するよりも、一度相談してみる方がいいと思います。
編集部コメント(社会福祉士より)
高齢者の一人暮らしでは、年金だけで生活が成り立たないケースは珍しくありません。生活保護は「最後の手段」と思われがちですが、実際には生活を維持するための重要なセーフティネットです。
特に今回のように、
・収入が年金のみ
・貯金が減少している
・医療費が負担になっている
といった状況では、対象となる可能性が高いです。
迷っている方は、まず現状を整理することが大切です。
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